皆さん、こんにちは!maioの遠藤です。
突然ですが、動画リワード広告にてアプリ内インセンティブを設定していただく際、動画視聴率を配慮して設定していますか?
せっかく動画リワード広告を導入しても、ユーザーに動画を視聴してもらえなければ収益に繋がりませんよね。
また、広告単価の上下を左右する1つの指標CVR。
一般的にCVRが高ければ、eCPMは上昇するため、CVRが高いゾーン(広告枠)なら、同じ再生数でもお戻しできる収益が変わってきます。
つまり、動画視聴率が高く、CVRの高いゾーン(広告枠)は収益性が高いということが言えます。
そこで今回は、『インセンティブが異なるアプリ』と『インセンティブが同じアプリ』でそれぞれ動画視聴率とCVRを比較し、どのような導入箇所、実装方法だと動画視聴率やCVRが高くなる傾向にあるのか調査しました。
事例①:インセンティブが異なる場合
まずはサッカークラブ育成シミュレーションゲーム『カルチョビットA』(株式会社ゲームアディクト)です。
プレイヤーはサッカークラブの監督となり、試合と特訓を繰り返すことで選手やチームを育てていく、やりこみ要素の強いアプリです。
今回はインセンティブの異なる2つのゾーンで動画視聴率とCVRを見ていきましょう!
その前に軽く各ゾーンの説明をさせていただきます。
ゾーンAは試合後付与される「課題」の枚数が動画視聴によって増加するといった実装です。
この「課題」をもとに特訓し、選手を強化していきます。
ゾーンBは動画視聴によって、特訓時の「スペシャルメニュー」に必要な課題の組み合わせを発見できます。
スペシャルメニューは複数の課題を組み合わせることで発動し、通常よりも効果の高い特訓を行うことができます。
■動画視聴率
以下がA、Bそれぞれの視聴率です。
※動画視聴率はDAUに対して実際に動画視聴したユーザーの数で算出
ゾーンAはゾーンBよりも約15%、動画視聴率が高い結果となりました。
ここで注目したいのが『インセンティブの有益性』です。
課題は選手の能力向上に必要不可欠、かつ単発でも使用が可能なため、1つでも多く発見したいものです。
スペシャルメニューに必要な課題の組み合わせを自分で見つけ出すことは難しいため、効率よくゲームを進めていきたいユーザーにとってはBも魅力的なインセンティブではあるのですが、
指定の課題を所持していないと組み合わせを発見したとしてもすぐにメニューを行うことができません。
よって、そのために必要な課題を付与してくれるAの方がインセンティブとしての魅力が高いと考えられます。
また、時間は掛かっても自分の力でスペシャルメニューを発見したい!といったゲームを楽しむファンの心理もあるのかもしれませんね。
〇異なるインセンティブでより動画視聴率を上げるためには・・
・ユーザーにとって最も必要とされるインセンティブ設定が必須。
・有益なインセンティブが複数考えられるのであれば、複数箇所への導入ももちろんOK!再生数を底上げしていきましょう。
■CVR
ではCVRはどうでしょう?
ゾーンAはゾーンBの約2.5倍という結果でした。
Bは特訓コーナーに入って真っ先にトリガーが表示されます。
「これから特訓をしよう!」といったユーザーの行動心理が明確なタイミングでの動画視聴となるため、視聴後そのままゲームを続けるユーザーが多いと考えられます。
反対にAは「試合後」というプレイがひと段落したタイミングで導入しています。
また、傾向的に1日のプレイを「試合」で終了するユーザーが多いため、「この後何しようかな~」と考えているユーザーに対して広告配信ができるのだと考えられます。
maioでも、視聴後の行動が決まっていない場合や、アプリ内行動が一区切りついたタイミングでの動画視聴の方がCVRは高い傾向にあります!
〇異なるインセンティブでよりCVRを上げるためには・・
・動画視聴後のユーザー行動がまだ決まっていない箇所への導入。
・リリース前で「まだユーザーの行動なんてわからないよ・・」といった場合は、ゲーム終了時やログイン時、ホーム画面に戻るタイミングなどユーザーが一息つくであろう箇所への導入がお勧め。
事例②:インセンティブが同じ場合
続いてはマンガアプリ『マンガLOVE』(株式会社prima)です。
ティーンズ~大人の女性向けの作品が豊富な完全無料のマンガアプリで、通信制限でも楽しめるようオフラインで読めるのも大きな特徴です。
今回はインセンティブが同じ以下の2箇所で視聴率とCVRを比較してみます。
ゾーンAはチケットページに動画視聴トリガーが常駐しており、マンガを読むために必要なチケットが1枚ゲットできます。
ゾーンBは、所持チケットが0枚の状態でマンガを読もうとするとトリガーが出現し、A同様チケットが1枚付与されます。
■動画視聴率
さて、同じ「チケット付与」のインセンティブでも、視聴率に差は出るのでしょうか?
結果、なんと約5倍もの差がでました・・!
その理由は『導入箇所・タイミング』と『コンテンツにマッチさせた導入』にあります。
「チケットがなくてマンガが読めない!」そんなタイミングでBのトリガーが表示されたら、皆さん見てしまいますよね?
Bは今からマンガを読もうとしたユーザーの行動導線上にトリガーを表示するため、
ユーザーにとって本当に必要なナイスタイミングでのインセンティブ付与となっているのです。
まるでマラソンの給水ポイントですね!
また、Bのトリガーは実際に掲載されているマンガのひとコマを動画視聴用のセリフに吹き替えることで、
ひとつのコンテンツとしてユーザーを自然と視聴まで促すような導入ができていることも視聴率が高い要因でしょう。
〇同じインセンティブでより動画視聴率を上げるためには・・
・「いつ、どこで」渡すのか、ユーザーが本当に欲しいタイミングでのインセンティブ付与。
・アプリの世界観に合った導線づくり(例)アプリ内のキャラやコンテンツをトリガーに盛り込む。
■CVR
では、CVRはどうでしょうか?
ゾーンBに比べてゾーンAは約1.7倍という結果になりました。
ゾーンBは視聴率のところでもお話したように「マンガを読む」といったユーザーの行動が明確であるため、
動画視聴後、ゲットしたインセンティブを使ってそのままマンガを楽しむユーザーが多い傾向にあります。
それに比べて、ゾーンAはその後のアプリ内行動が明確でないユーザーが多いためゲットしたチケットをすぐに使う必要がなく(ストックする)、配信されている広告により興味をもって視聴してもらえていると言えるでしょう。
〇同じインセンティブでよりCVRを上げるためには・・
・事例①同様、ユーザー行動が決まっていない箇所を狙いCVRを高める要因作り。
・視聴後の行動に気を取られないような、貯めておけるインセンティブ付与も効果的。
(例)アイテムやチケット、ポイント獲得
■最後に
今回はインセンティブ別に2つのアプリで動画の視聴率とCVRを比較してみました。
事例①のゾーンAのように、「視聴率もCVRも高い枠」を設定して頂ければ一番良いのですが、両方を補える広告枠を作るのはなかなか難しいのが現状です。
そこで「視聴率の高くなる枠」と「広告主効果の良い枠」別々でも両方の枠を設定し、より安定した広告マネタイズを目指していきましょう!
~今回ご紹介させて頂いたアプリ~
カルチョビットA(アー) サッカークラブ育成シミュレーション
iOS:https://itunes.apple.com/jp/app/%E3%8
Android:https://play.google.com/store/apps/detailsid=jp.co.gameaddict.calciofree&hl
マンガLOVE
iOS:https://itunes.apple.com/jp/app/%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%AClove-%E4%BA%BA%E6%B0%97%E3%82%B3%E3
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遠藤 優佳
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