スマートフォンアプリをPRする方法の1つに、ウェブメディアへの出稿があります。
ウェブメディアへの出稿はアドネットワークやSNSへの出稿と共に一般的な手法の1つですが、実際にやるとなるとどのような特徴があり、どのような点に気をつけるべきかよくわからないという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ウェブメディアへの出稿によるスマートフォンアプリのPRついて、その概要を説明します。
ウェブメディアへ出稿するとどうなる?一般的には「記事出稿」がメイン
ウェブメディアへの出稿は、一般的に記事として掲載する「記事出稿」を指します。アプリ開発事業者は一定のお金を払うことで、取材記事やレビュー記事をウェブメディアに掲載してもらうことができます。通常は、IT系、スマホアプリ系、ゲーム系など、開発したアプリと相性の良いウェブメディアを選んで出稿します。
ウェブメディアに掲載されることでそのメディアの読者の目に留まったり、SNSで拡散されるなどのPR効果が見込まれ、結果アプリのダウンロードが促進されます。
記事出稿の他にもウェブメディアに出稿する方法として、特定の位置に一定期間広告バナーを掲載する「純広告」などがあります。
無料で掲載される記事との違いは?
ウェブメディアは出稿されていない場合でも新しくリリースされたアプリをニュースとして取り上げたり、またはレビュー記事を掲載したりします。
無料でニュースやレビュー記事の依頼を受け付けているメディアも多くあります。であれば、わざわざお金を払って出稿する必要はないと思うかも知れません。
しかし出稿がない場合、必ずニュースやレビュー記事として掲載されるとは限りません。
メディアには多くの記事掲載依頼があるのが通常で、有力なメディアほどその中から実際に掲載される確率は低くなります。
また掲載されたとしても単なるニュースの転載ということも多いでしょう。
出稿する1つの意味は、「オリジナルの記事が必ず掲載される」という点にあります。
また出稿されて掲載される広告記事は、通常の記事とは異なる制作方法であることも多くあります。
通常よりも多くの時間をかけて調査したり、記事の内容もより吟味されたものになるケースが多いでしょう。
ウェブメディアへ出稿費用は?
ウェブメディアへアプリのPRのために出稿するには、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。
これはメディアによって異なりますが、小さなメディアであれば1記事20万円くらいから、有力なメディアであれば1記事100万円〜200万円ほどかかることも珍しくありません。
メディアによって様々なメニューが用意されている場合があり、例えばのレビュー動画の作成セットになっていたり、一定期間トップページの良い位置にリンクを掲載するなど、様々なメニューがあります。
ウェブメディアへの出稿は効果があるのか?過大な期待は禁物
安くない費用をかけて実施するウェブメディアへの出稿ですが、果たしてアプリをPRする効果はあるのでしょうか。
もちろん効果はあります。
しかし例え有名なメディアだったとしても、出稿記事1つで大きくダウンロード数が伸びるということはほとんどありません。
かつてゲーム系のウェブメディアが全盛だった頃とは異なり、現在はウェブメディアの直接的な力はそれほど大きくはありません。
出稿記事1つに大きな期待を持つのはおすすめしません。
ウェブメディアへの出稿の効果的な使い方、特性を理解してうまく利用しよう
ではウェブメディアへの出稿は意味がないのかといえば、そういうわけでもありません。
メディアの特性をうまく利用することで、効果的なマーケティングにつなげることは可能です。
メディアの特性の1つは、記事として情報を残せる、というところです。
これはアドネットワークやSNSへの出稿と大きく異なる点です。固定的に残る情報としてのメディアの記事は、中長期的にも一定のブランディング効果が期待できます。
つまり、キャクターを認知させたいとか、シリーズとして育てたいと考えているアプリゲームなどに向いていると言えます。
逆にカジュアルゲームにはあまり向いていないでしょう。
もう1つ留意すべき点は、1つのメディアに出稿しても効果は薄い、というところです。
これはPRマーケティング全般に言えることですが、単一の施策だけで目立った効果が上がるということはあまりありません。
1つのウェブメディアに数十万円かけて1つの出稿記事を掲載したとしても、それだけで成果が上がることはあまりありません。
ウェブメディアを利用したマーケティング戦略を行うのであれば、対象のアプリと相性の良い複数のメディアをピックアップし、それらを組み合わせて実施するのがおすすめです。
ユーザーから見たときに、色々なメディアに掲載されている、メディアの特徴に沿った魅力的な情報が色々なところにある、という状態にすることが重要です。
複数のメディアを利用する場合、当然出稿費用の総額も上がっていきます。
またそれぞれのメディアとの打ち合わせや素材の提供など出稿側の負荷も低くありません。
アドネットワークやSNSへの出稿と比べて直接的なダウンロード効果が見えにくいだけに、ウェブメディアを利用したPR戦略は難しい手法と言えるでしょう。
筆者としては、アプリPRのための広告出稿は、まずは対費用効果がわかりやすいアドネットワークやSNSへの出稿からはじめ、そこで一定の効果が出て利益を生み出してからウェブメディアへの記事出稿を検討することをおすすめします。
もちろん広告予算に余裕のある場合は、アプリリリース時に合わせて、アドネットワーク、SNS、そしてウェブメディアと、複数のチャンネルへ一気に出稿しても良いかも知れません。
アプリのリリース時がPRの最大のチャンスであることは間違いありません。
ウェブメディアとSNS、バズを狙うのもアリ!
上記のオーソドックスな手法とは別に、ウェブメディアを使った効果的なアプリPRのもう一つの手法として、SNSでの拡散を狙うというものがあります。
ウェブメディアへの記事掲載は、作者の思いやアプリが生まれた背景、またはアプリゲームであればその尖ったゲーム性などをユーザーに伝えるのに向いています。
出稿するウェブメディアと対象のアプリの性質がうまく組み合わされば、そのメディアの読者を起点としてSNSで拡散、いわゆる「バズ」を起こせる可能性があります。
今まで述べてきたメディアの使い方は、ブランディング、知名度向上がメインでしたが、この「メディア発のSNSでのバズ」は、アプリの直接的なダウンロードに結びつきます。
対象となるアプリとの相性もあり、また狙って起こすのは難しいものでもありますが、複数のメディアへの出稿が予算や負荷の関係で難しい場合は、このようなSNSでのバズを狙うのも戦略の1つと言えるでしょう。
目的を持った出稿が必要
以上のようにウェブメディアへ出稿は、ただ単に記事が掲載されればダウンロード数が増えるというものではなく、きちんと戦略を立てて実施する必要があります。
どのメディアを利用するのか、複数のメディアで押していくのか、単一のメディアとの取り組みでバズを狙うのか、PRしたいアプリや予算、出稿によって得たいものはなにかをきちんと見定めで実施するようにしましょう。
※本記事は株式会社SQOOLの加藤賢治様より、寄稿して頂いた記事になります。
加藤 賢治
ゲーム情報メディア「SQOOL.NETゲーム研究室」の管理人です。
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藤田 恵理
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