これまでに世に送り出されたアプリの開発の裏側やマネタイズに迫り、成功へのヒントを探る本コーナー。
記念すべき第一弾は、あのにゃんこ大戦争で一世を風靡しているポノス社よりリリースされた異色のアプリ
私、転がります。
あのにゃんこ大戦争を生み出したポノスが同じ開発元とは思えない衝撃的な印象を与えるアプリだが、ここにも成功へのヒントが隠されているのである。
独特な世界観と操作性が光る
さて、私、転がります。は一体どのようなゲームなのか。ストアの説明文にはこのように記載がされている。
転がる頭を叫ばせて先にすすみましょう。
操作は画面をタッチするだけ。
転がり、叫んで、様々な頭を集めましょう。
なるほど。とてもシンプルである。説明文の通りで、画面を押すことで顔が
『あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ』
と叫びながら円を描くように進んでいく。
そして顔が進むにつれて、その顔の人生の記録が画面右に流れてくる。プレイを進めるにつれてその顔の人生を知ることができるのだ。
顔は複数あり、コレクション要素となっている。途中に現れる火の玉のような魂を集めることで、新しい顔を手に入れることができる。
火の玉を十分集めると『顔がなる木』に顔が実り、大きくなると収穫することができるシステムだ。
数あるアプリの中でも独特の世界観と操作性を備えた本作だが、そのマネタイズに思考を重ねた工夫が見られた。
ユーザー体験を考えた動画リワード広告でのマネタイズ
私、転がります。の動画リワード広告は2箇所導入されており、どちらもプレイが終了したタイミングに導入がされている。ユーザーがストレスを感じず、広告に対する優先度が高くなるタイミングで動画を視聴させることを意識して作られているのだ。
ゲーム終了時のボーナス2倍
ゲーム終了時のボーナス2倍では、ゲーム終了時の結果画面において、動画リワード広告を視聴すれば、獲得したポイント(=魂)が2倍になる。
ゲームオーバー後のコンティニュー
ゲームオーバー後のコンティニューは、その通り、ゲームオーバー時に動画リワード広告を視聴することで、コンティニューとして続きがプレイできる導入方法である。
ここに、ひと工夫がされている。これまでコンティニューと動画リワード広告の組み合わせは、
1. ゲームオーバー
2. 動画視聴選択(コンティニュー)
3. 動画リワード広告の再生
4. 続きをプレイ
という流れで、『動画視聴した後に、コンティニューとして続きをプレイできる』形で動画リワード広告が導入されていた。
この導入方法は、再生率は高いものの、ユーザーは早く続きをプレイしたいばかりに広告の優先度が低く、広告効果が低くなることで収益が思うように上がらないという課題があった。
私、転がります。では、この課題が解決されている。結論から言うと、動画の視聴をコンティニュー後の再ゲームオーバー時にずらしたのだ。
ここがポイント
私、転がります。では、この動画リワード広告視聴までの流れを、
1. ゲームオーバー
2. 動画視聴選択(コンティニュー)
3. 動画リワード広告は再生せず、すぐに続きをプレイ
4. 再ゲームオーバー時に動画リワード広告の再生
という『コンティニュープレイ後に、動画リワード広告を視聴させる』形に変更することにより、ユーザー体験を阻害せず、かつ広告に対する優先度が高いプレイ終了後のタイミングで動画を視聴させるような仕様にしている。
視聴完了後は結果画面に遷移する。結果画面ではボーナスなどを確認する必要性があるため、ユーザーが動画を視聴せずアプリを落としてしまう可能性も少ないだろう。
この導入方法であれば、コンティニューと動画リワード広告を組み合わせる形でも、広告効果を維持し、高収益を実現できる可能性が高まる。実際に、私、転がります。のmaioでのCPMは平均値を大きく超える収益性をマークしていた。
私、転がります。はどのようにして生まれたのか
今回、ポノス社の担当者から、企画の背景やマネタイズについて聞くことができた。
■私、転がります。の企画の背景
1タップで遊べるようなアクションゲームを目指していました。その中でキャラクターが勝手に回りつつタップで進む、という操作に辿り着き、『頭が転がる』というアイデアが浮かびました。
当初は、ギロチンで首を落とす瞬間がスタートというアイデアもあったのですが、諸々の事情で省略しました(笑)
■開発にあたり、特に力を入れた部分
一つは初めて触った時のインパクト。なんだこれは!と引き込み、思わず友達に教えたくなる。そんな世界観を作りたいと思っていました。
もう一つは頭の操作感。理不尽な操作性かと思いきや、やればやるほどうまくなると思います。バカゲーではあるけど、意外と深みがあります(笑)
■マネタイズでの工夫
ユーザーにストレスを与えない、ということを第一に考えました。
適度に動画のタイミングを作りつつ、動画視聴の選択肢はユーザーに持たせるようにしています。コンティニュー部分では、プレイ途中ではなく、コンティニューのプレイ後に動画を流すことでゲーム体験を阻害しないように工夫しました。
ポノス社の挑戦する姿勢と、ユーザー体験を阻害しない配慮が伝わってくる。
成功のヒントはころがっている
今回は、ポノス社の 私、転がります。を紹介させていただいた。アプリの何気ない部分にも成功のヒントはころがっている。そのヒントをこれからもmaioから発信し、さらなるアプリ市場の発展に貢献していきたい。
私、転がります。
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Daisuke Shigetaka
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